これほど苦労して撮影した蘭が、過去にあっただろうか?三年後に奇跡が起きました!
ラテン名: Huntleya burtii
こんな感じで、咲いていました。
全体的な見た目だけでなく、ずい柱、唇弁も個性的?
花の大きさは十二センチほどあり、ワックスのような光沢を持つ不思議な蘭です。違法販売でもよく見かけるので、需要が高いと思います。実際、民家の庭で何度も確認しています。
この蘭の撮影までに、幾多の不運が続きました。四ヶ所(国立公園、私有保護区、そのどちらにも属さない地方の森林)で株を見つけ、開花を楽しみに訪問を繰り返していました。
ところが三ヶ所で次々に盗掘にあい、撮影のチャンスが一気に減少しました。低い場所に着生していることが多い蘭なので、非常に目立ちます。それが盗掘の原因なのでしょう。
とある私有保護区では複数の株が残っていて、まだ希望はありました。しかし開花している株を見つけても、既に枯れていたり、色褪せていたり、損傷が酷かったり・・・・。
この色褪せていた株は、後に盗掘されました。
倒木の下敷きになっていた株を、引きずり出しました。五つの花を付けていましたが、損傷が酷くて残念でした。近くの木に移しましたが、しばらくして姿を消しました。
「どうして、巡り合わせが悪いんだろう。どうして、こんなにも盗掘する人間が多いのだろう・・・・」何度も何度も心が砕けそうになりました。
この私有保護区の近くでは、違法販売が毎週末に行われています。汗だくになって探し続け、空振りで終わった日のことです。帰る途中、路上販売で綺麗に咲いているHuntleya burtiiを見た時には、悔しくて涙が出そうになりました。
こうして良い結果(綺麗に咲いている株の撮影)を出せないまま、三年ほど経ちました。
今月の上旬に保護区を訪問し、二株に蕾を確認しました。「今度こそ!」と思い、二週間後に再訪問しました。
目的地に近づくにつれ、心臓がドキドキしました。「また盗掘されていたら・・・・。既に枯れていたら・・・・。」
最初の株を目の前にして、私は愕然としました。花どころか、蕾もありません!念の為に地面を確認したのですが、落ちていません。花だけ摘まれたのでしょうか・・・・。
不安な気持ちに包まれながら、二つ目の株を見に行きました。こちらは小さな蕾だったので、開花も半信半疑でした。ところが既に開花していて、しかも色褪せていました(花持ちが良いと聞いていたのに・・・・)。
「また駄目か・・・・。もう何回、この保護区を訪問したのだろう。諦めた方が良いのかも・・・・」絶望感に打ちひしがれ、妻や息子が待つ場所に戻ることにしました。
「また息子がガッカリするだろうな~」妻の繊細な性格を受け継いだ息子は、私が残念な結果に終わると、いつも悲しい表情を見せます。
帰りは別ルートをとりました(念のために他の株も確認)。もっとも二週間前に蕾を確認できたのは、二株のみでした。
ところが、奇跡が起きました。蕾すらなかった別株に、綺麗な花が咲いているではありませんか!?「わずか二週間で花茎が伸びて、蕾ができて、開花なんてありえない!奇跡だ!」
三年間に起こった不運な出来事の数々が、走馬灯のように蘇りました。そして達成感で目頭が熱くなり、夢中で撮影しました。
撮影後、携帯に妻からのメッセージがあることに気が付きました。「どんな具合?咲いていると良いね」直ぐに喜びを伝えたかったのですが、携帯が繋がりません。急いで戻ることにしました。
「ダディ、どうだった?」すぐさま息子が心配そうな顔で問いかけます。「ミッション・コンプリート!」\(^▽^)/
いつも私の帰りを辛抱強く待ってくれる妻と息子に感謝し、夜はレストランで乾杯しました。
(≧∇≦)/□☆□\(≧∇≦ )カンパーイ!!
ラテン名: Epidendrum nutantirhachis
こんな感じで、咲いていました。
地面に開花している株が、落ちていました。よくあることです。着生先を失っても、こうして綺麗に咲いている。逞しいと思いました。撮影後に拾って、近くの低木に移しました。
ラテン名: Pleurothallis compressa(固有種)
こんな感じで、咲いていました。
大きな葉とは対照的に、花は五ミリほどしかありません。花茎がダラリと伸びて、花も宙ぶらりんでした。強い風が吹いていたら、撮影は不可能と思える状況でした。小国なのに固有種が多くて、驚かされます。
ラテン名: Camaridium bracteatum
こんな感じで、咲いていました。
地方の道端、牧草地にある低木で普通に見かけます。花は三センチほどですが、そこそこ見栄えすると思います。
このタイプの蘭はコスタリカ人にとって、魅力的ではないのかもしれません。違法販売、民家の庭で見た記憶がありません。
大きな花を咲かせる種、枝垂れて多くの花を付ける種、見た目が個性的な種が、盗掘対象という印象を受けます。
全てキャノン・パワーショットSX60HSで撮影
蘭の分類は非常に複雑で、種名が複数存在することも珍しくありません。昔の属名が現在でも普通に使用されていたりします。属名、種名に関しては、下記のサイトを参考にしています。
この後、しばらく更新できないかもしれません。
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「亀のような甲羅」から、可愛らしい顔が見えました!
ラテン名: Tapinaspis wesmaeli
通常は低い場所での観察なので、上からの撮影がほとんどです。この時は目線より少し下くらいでした。横から撮影できるので、しばらく待ってみました。
息子の興味が虫から野鳥に移り、私自身も知り合いの蘭学者が行っている、保護活動の手伝いで精一杯です。また息子と虫撮影してみたいな~。
全てリコーCX5で撮影
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キノドスミレフウキンチョウ 繁殖期なので、「シエスタ」どころではありません!
ツアーの昼休みに撮影しました。何事もスローなコスタリカですが、鳥の世界は例外でしょうか。忙しそうに巣材を集めていました。昼食後にのんびり休憩できるのは、人間だけの特権?
和名では未だにフウキンチョウですが、分類学上ではフィンチ(アトリ)の仲間となっています。普通種ですが、ブログ初掲載です。
そこそこ高い場所にいる、十センチの鳥を撮影するのは容易ではありませんからね(この時は目線まで降りて来たので、幸運でした)。
キャノン・パワーショットSX60HSで撮影
皆さん、良い週末を!\(^▽^)/
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三度目の正直で、ようやく撮影できた蘭です!
ラテン名: Macroclinium ramonense
こんな感じで、咲いていました。
花が既に枯れていたり、色あせていた時はガッカリします。野生蘭は数日で枯れてしまう種が多く、綺麗に咲いている株を見つけるのは極めて困難です。
蕾を確認した時も同様、落胆することが多いです。かならずしも再訪問できるとは限らないですし、いつ開花するかも分かりません。
この蘭を見つけた時は、たくさんの蕾を付けていました。蕾の大きさから、開花は一週間後になると予想し、再訪問しました。ところが全く変化がありませんでした。
三度目の訪問は躊躇しましたが、この属の花は未見ということもあり、再び目的地に向かいました。
不運なことに、十メートル先が見えないほどの濃霧でした。ただし接写できる場所に着生していたので、目的を達成することができました。急斜面での撮影だったので、冷や汗ものでしたが・・・・。(^▽^;)
ラテン名: Epidendrum pachyceras
こんな感じで、咲いていました。
地味な見た目のエピデンドルムは類似種が多く、専門家でないと識別が困難なことが多々あります。この種に関しては、同エリアでの蘭リストが存在していたので、自身で同定することができました。
ラテン名: Pleurothallis tonduzii
こんな感じで、咲いていました。
プレウロタレス属はミリ単位の花を付ける種が存在し、極小類に分類されます。それを考慮すると、この種は大きな花を付けると言えます。花の大きさは二センチほどあります。
道端の低木に着生していました。シトシト雨が降っていて、傘を指しながらの撮影でした。ミリ単位の花だったら、片手での撮影は無理だったでしょう。
ラテン名: Scaphyglottis bifida
こんな感じで、咲いていました。
花茎が細すぎるのか、通常は花が逆さまに垂れ下がった状態で咲いています。この時は株自体が垂れ下がった状態で着生していたので、「自然な感じ」で撮影することができました。
2015年の十月に撮影しましたが、先週末にも咲いている株を見つけました。少なくとも、年に二回は開花することが分かりました。
全てキャノン・パワーショットSX60HSで撮影
蘭の分類は非常に複雑で、種名が複数存在することも珍しくありません。昔の属名が現在でも普通に使用されていたりします。属名、種名に関しては、下記のサイトを参考にしています。
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時期によって見た目が変わる蝶が、コスタリカにもいました!
雨季型
乾季型
ベニオビタテハ属、ラテン名: Anartia jatrophae luteipicta 英名: White Peacock
蝶に詳しい方は春型、夏型、秋型の存在をご存知かと思います。「季節によって、見た目や大きさが変化する」
しかし、コスタリカには四季がありません。そういった時期による差異は、ないものだと思っていました。ところが手持ちの図鑑から、例外があることが判明しました。
このベニオビタテハの仲間には雨季型、乾季型が存在するようです。雨季型は色合いが濃く、乾季型は薄くなり、サイズが大きめと書かれていました。牧草地、野原で普通に見かける蝶です。
アツバシジミタテハ属、ラテン名: Emesis fatimella nobilata 英名: Fatimella Emesis
葉裏に隠れていることが多いので、なかなか撮影機会がありません。シジミタテハの仲間としては定番の習性で、注意深い観察者でないと、その存在に気が付かないかもしれません。
ヒメトンボマダラ属、ラテン名: Oleria zelica pagasa 英名: Zelica Clearwing
ヒメトンボマダラ属は翅の縁取りがオレンジなのですが、この種は例外的に黒となっています。原生林の薄暗い場所を好み、手持ち撮影だとブレることが多々ありました。図鑑によると、個体数も少ないようです。
全てリコーCX5で撮影
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